インタビューの概要
ご紹介企業 | 株式会社あきんどスシロー様 営業企画部 企画課 担当課長 大牧 宏彰様 |
活用いただいているサービス | CMクリエイティブ分析 → Telescopeに切り替え導入 |
課題・目的 | 集客の最大化のために、効果検証の精度を上げ、 少しでもテレビCMを効率の良いものにしたかった。 |
株式会社あきんどスシロー(以下、スシロー)のご紹介 一軒のすし屋を原点に持つ“スシロー”は、ネタの仕入力と商品開発力が自慢で、店舗で店内調理のひと手間をかけ、いいネタを一番いい状態でお客様に提供しています。定番のまぐろからスシロー考案の創作すしであるえびアボカドまでバラエティー豊かなすしやサイドメニューを取り揃えており、幅広い年齢層のお客様にお楽しみいただいております。 また月に2回、多種多様なキャンペーンを展開しており、いつ来ても飽きることなく”うまいすし”をお楽しみいただけます。 ウェブサイト:https://www.akindo-sushiro.co.jp/ |
テレビCMのご状況
年間およそ24回(月に2回)のペースで、販売促進のためのキャンペーン展開・CMクリエイティブの変更を行うスシロー。キャンペーンの振り返りには、効果検証に対する高い精度やスピード感が求められています。その2つの要素をクリアしたデータとして、TVISION INSIGHTS株式会社(以下TVISION)のサービス「Telescope」をご導入いただきました。導入前に抱えていた課題や、テレビを見られた量で評価する「Telescope」導入によって、テレビCM施策にどのような変化が起きたのか、株式会社あきんどスシロー営業企画部 企画課 担当課長の大牧様にお話を伺いました。
<最近放送されたテレビCM>



テレビCMの課題
テレビCMが新しい視聴者層に届きにくくなっていると感じていた
―テレビCMの課題はどんなことでしょうか?

私たちはお客様に、常に新鮮で、飽きることのないおいしいおすしを提供しています。そして、そのおすしをより多くの人に楽しんでいただきたいと思い、年におよそ24回という回数の企画を実施しています。また、CMクリエイティブでは、新鮮さや斬新さを取り入れて、年間の数多いクリエイティブを、いかに人々の印象に残るものにするかを非常に大切にしています。そういった状況から、どのメニューがお客様に受け入れられ、どのクリエイティブがより興味を持っていただいたか、スピード感を持って把握したいと常日頃から考えています。
そのような中で、テレビCMにおける課題は、大きく3つありました。
1つ目は、テレビCMが徐々に見られなくなってきているのではないか、という懸念です。コロナ禍によるステイホームが始まった頃は、テレビの視聴率が若干増加したという統計結果があるものの、実際のデータを見ると、テレビの前の滞在率が低下しており、スシローのTVCMの想起率も低下傾向にあることが分かりました。
2つ目は、CMを視聴している年齢層が主に高齢者層に見られることが多く、偏りが見られたことです。これも昨今話題になっているテーマですが、若年層のテレビ離れ=地上波を見ないというような流れは、年々強まっているように感じています。
3つ目は、新規の方や、ライトユーザーがあまりCMを見ていないのではないか?という懸念があったことです。 スシローを既にご愛顧いただいている方にはキャンペーンのリマインドになるCMであっても、新しい層にCMが本当に届いているのか?というところに、懸念を感じていました。
こういった課題がある中でも、テレビCMはマスにリーチできる、なくてはならない媒体だと思っています。だからこそ、少しでもテレビCMを効率の良いものにしたく、効果検証の精度を上げる必要があると思っていました。
我々の目標は「集客の最大化」です。テレビCMをいかに集客への近道にするかを常に考えているため、効果検証の精度を上げることは必然でした。
導入のきっかけ・決め手
視聴者の反応がダイレクトにわかり、クリエイティブの改善に役立てられると思ったから
ーTVISIONのことはどのようにお知りになったのでしょうか?
最初に知るきっかけとなったのは、私の前職においてでした。テレビのデータに関わっていたこともあってTVISIONのデータに触れる機会があり、テレビCMの効果検証には良いデータだと感じていました。しかし当時、TVISIONの調査パネルの数はまだ少ないと感じていました。 現職についたときは、パネル数も2,000世帯とかなり増えていて、このデータで効果検証を実施できたらと思い、導入しました。
ーTVISIONデータおよびTelescope導入の決め手となったことは、何だったのでしょうか?
繰り返しにはなりますが、効果検証の精度をあげるために必要なデータだと思っていたので、導入を決めました。
これまでは、頻繁にCM動画呈示によるアンケート調査をやっておりました。ただ、この形式では100%視聴前提の調査になるので、ながら見も多いTVCMにおいて正しく効果を検証できているのか、疑問が生まれておりました。TVISIONの「テレビの前にいるのか、テレビの画面をみているのか」という精緻なデータは効果検証をする上で魅力的でした。
また、クリエイティブの改善においても非常に重要なデータになると思いました。前述しましたCM動画呈示によるアンケート調査ですと、どのような見せ方をすれば利用意向が向上するのか、といった知見を貯めることはできるのですが、どうしても細かい要素までは評価できません。例えば、音楽やナレーションのどの部分が人に見られたのか、扉やラストカットのシーンがどう効いているのか、などです。こういった細かい要素は、毎秒の注視データが見えることで評価でき、改善点の示唆になると思いました。
Telescopeというツールについては、実はWebでの検索で見つけました。データが早く見られること、コスト面でも今までよりも削減できることが分かり、これだ!と思いました。
これまでは、キャンペーンの数は多いものの、2か月に1回、4つの素材をまとめて調査をお願いしていたので、どうしても評価サイクルが遅くなっていたことも課題に思っていました。しかし、Telescopeで月に1回の振り返りができるので、スピードについても解決できたのではないかと思います。年間通して計算するとコストも下がったのは、嬉しいですね。
※当初はTVISIONのCMクリエイティブ分析の定期レポートをご導入いただきました。
その後、Telescopeというツールに切り替えてご利用いただいております。
導入して変わったこと
CMクリエイターの納得感に変化が生まれた
ーTVISIONのデータをどのように活用されていますか?
主にCMの振り返りのために月に一度、社内の報告会で利用しています。CMクリエイティブごとに毎秒で注視データを確認し、複数のアンケート調査と掛け合わせて、キャンペーンの評価をしています。
実際に検証を進めてみて、TVISIONの注視データとアプリで来店時に取得している各キャンペーンの集客実績に相関が見られたので安心しました。 それからは、CMの注視を上げていくということに、迷いがなくなりました。
また、この報告会にはCM制作者も参加しています。従来のアンケート調査では、クリエイティブの改善において、制作者の納得感が少ない場面もありました。しかしTVISIONのデータでは、純粋な視聴態度によるCMの注視なので、納得感を得ながら、数値が低かったところの次回の改善や、高かったところの継続などの示唆になっています。
それから、報告会に向けた資料作成でも活用しています。その際、Telescopeを使いつつ、それとは別に、毎月サマリーのレポートも送っていただけるとは知らなかったので驚きました。手作業で報告会の資料を作成していたので、このレポートはとても助かっています。
(※編集部注釈:この毎月のレポートは、クライアントのレポート形式に合わせて作成することも可能ですので、そのまま報告会などでご活用いただけます)
今後の展望
数多くのCMクリエイティブを分析しているTVISIONの知見をもっと活用していきたい
ー今後、やってみたい分析やTVISIONへのご要望はありますか?

そうですね…Telescopeのデータが表示される画面については、非常に見やすいと思っていて、このツールについてこれといったものはありません。TVISIONは日々多くのクリエイティブに触れていて多くの知見があると思いますので、そういった知見をもっと教えていただき、活用していきたいと思っています。
これはデータ取得についての要望となりますが、データ取得のエリア拡大をお願いしたいです。スシローは日本全国に店舗を展開していますので、関東・関西だけではなく、その他の地域でのデータもあるとありがたいと思っています。
CMの見られ方にどの程度地域差があるのかは気になるデータですね。また、弊社アプリデータとの連携などもできれば、より精度の高い効果検証につながると思います。
テレビ番組に弊社を取り上げていただく機会も多いので、番組の視聴データを見るのも面白そうですね。
おわりに
大牧様は、Telescopeを活用し独自で報告レポートを作成され、CMクリエイティブの改善をされておりました。 TVISIONが提供するTelescopeは、お客様の声に寄り添いながら改良しています。今回のインタビューで「使いやすい」とのお話をお伺いできて、TVISIONとしても大変うれしく思っております。今後もデータを出すだけではなく、一緒に考えていけるパートナーとしてご支援できれば幸いに存じます。
インタビューの中でお話いただいた、関東・関西以外での調査パネル拡大については、他のクライアント様からも同じような声をいただいております。前向きに検討していきたいと思います。 お忙しい中、取材にご協力いただきました大牧様に、心より感謝致します。