自然視聴環境下だからこそわかること。実データで社内のコミュニケーション活性化を

インタビューの概要

ご紹介企業株式会社ロッテ様
マーケティング本部情報クリエイティブ部
コミュニケーション戦略課
清水 典子 様
活用いただいているサービスデータ連携サービス
メディアデータのご提供
Telescopeクリエイティブ
課題・目的 テレビ広告予算の効率化のため、デジタル広告と同じように
客観データで評価したい。
また既存の調査ではタイムラグがあり、意識調査では納得感を
得られないこともあった。
株式会社ロッテ(以下、ロッテ)のご紹介
ロッテは、キシリトールガム、ガーナミルク、コアラのマーチ、雪見だいふく、爽、クーリッシュなどのお菓子やアイスを製造販売している会社です。コーポレートメッセージである「お口の恋人LOTTE」には、誰からも愛される会社にしたい、愛される製品を作っていきたい、という創業者の想いが込められています。これからも常にチャレンジをし続け、菓子やアイスを通じて、世界中の人々の豊かな暮らしに貢献していきます。
ウェブサイト:https://www.lotte.co.jp/

テレビCMのご状況

ガムやチョコ、アイスなど、様々なブランド展開をしているロッテ。だからこそ、広い層にリーチできるテレビ広告は重要な媒体のひとつと考える同社でしたが、テレビ広告の最適な計測方法と効率化に、課題を感じていたとのことです。そのような中、TVISION INSIGHTS株式会社(以下TVISION)の、他社ダッシュボードへのデータ連携サービスと、注視データを中心にしたメディアデータのご利用を開始いただきました。

また、今後はTVISIONの指標「Cスコア*」をダッシュボードへ連携するとともに、「Telescopeクリエイティブ」でCMを評価することも検討するとのことです。導入前に抱えていた課題や、導入に至った経緯について、株式会社ロッテ マーケティング本部情報クリエイティブ部コミュニケーション戦略課 清水典子さんにお話を伺いました。

※Cスコア・・・Cスコアは、番組枠のパワーを取り除き、CMクリエイティブのパワーだけを浮かび上がらせ、評価できる指標です。

<ロッテ商品のご紹介>

コアラのマーチ画像
ガーナミルクチョコレート画像
ロッテキシリトールガム画像

テレビCMの課題

テレビ広告予算の効率を高めるための、最適な手法を模索していた

―テレビCMの課題はどんなことでしょうか?

一番の課題は、予算の効率的な活用だと考えています。テレビ広告は、デジタル広告と比較するとデータを収集しにくいメディアであり、投下費用が大きいだけに効率化の余地も非常に大きくあり、実現できれば大きな効果が期待できます。

ロッテではこれまで、テレビ広告の評価指標として、アンケートベースでの調査を主に実施してきました。しかしアンケートは強制視聴下での結果なので本当に信じていいデータなのか納得感が得られない場面もあり、勘と経験に頼るところが大きいと感じていました。

数年前から、社内では、テレビ広告をデジタルと同じように、客観データを確認しながら改善のサイクルを回して行かねばならない、という危機感がありました。

もう一つの課題としてあるのは、これまでの調査だけではタイムラグがあるということです。調査は定期的に行っていましたが、アンケートベースでの調査になるため、CMを放送してから調査まで 時間が空いてしまうこともありました。CMの効果と、売り上げの関係性についても、意識調査からでは納得感を得られないこともありました。

その手法を模索していた中でTVISIONさんのサービスに注目しました。

導入の決め手・期待

視聴者の自然な視聴環境下での視聴がわかる実データが魅力。テレビ広告が売上に与える影響を測る指標として活用したい

ーTVISIONのことはどのようにお知りになったのでしょうか?

私が現在の部署に異動になったのが2020年ごろです。ロッテのマーケティングコミュニケーション戦略において、前述したような広告の効果検証の最適化と、その見える化が課題としてあり、私たちのミッションでもありました。その課題を解決するべく、オンラインセミナーやWeb検索、専門企業等から情報収集を行いながら、適切な手法や評価指標について日々模索する中で、実際の視聴データで分析を行うTVISIONの「視聴質データ*」の存在を知りました。

広告が売上に与える影響を、ストーリー立てて検証するために未知な中間指標が多い中、テレビCMが本当に視聴者に届いているかという視聴の「質」は、足りていなかったピースが見つかったといいますか、重要な指標の一つとなることを確信しました。

*視聴質データ:TVISION独自の人体認識技術で、視聴者のテレビの前の滞在率やテレビへの注視率がわかるデータ

ーTVISIONデータおよびTelescope導入の決め手となったことは、何だったのでしょうか?

課題のところでお話しましたが、これまで実施していたアンケートベースの広告効果調査では、データの正確性とタイムラグに課題を感じていました。その点、TVISIONのデータは、滞在有無だけではなく画面への注視を加味したリアルな視聴データであり、放映後翌日の夕方には結果の取得が可能である点に魅力を感じ、導入を決めました。

もともと、Salesforce社のツール「datorama」の導入を社内で進めていたこともあり、TVISIONのデータもそこに連携ができると知り、datoramaでのデータ観測をする方針に決まりました。デジタルを含め、テレビの広告のデータも搭載し、広告全体によるマーケティング施策の結果を、早く正確に評価できることを期待しています。

導入で感じたこと、気づいたこと

導入するだけでなく、データをどう活用するかまで伴走いただいていることに安心感

ロッテ様対談画像

ーTVISIONのデータはどのように導入されたのでしょうか?

前述したように、datoramaにテレビ広告の効果計測における重要指標の一つとして、TVISIONのデータを連携いたしました。社員が各々で評価指標の共通認識を持って、ブランド毎に日々のTVCMの視聴状況が把握出来るよう、アテンション含有量を始め各種要因の指標を見える化しています。

datoramaで全体感を把握し、各ブランドの詳細のCMの視聴状況を詳細に知りたい時は、Telescopeを見に行けるような動線で設計しました。Telescopeでは、ブランド/CM別の切り口で、視聴者の自然態度の実データが分かるので、より精度の高いCM出稿ができると確信しています。

datoramaの構築とともに、社内勉強会も実施しました。この勉強会では、社内の100名以上のメンバーに参加してもらいました。まずはマーケティングコミュニケーションについて知り、テレビ・デジタルの現在がどのようなものなのかの理解を深め、datoramaで扱う指標などの重要性を把握してもらいました。

勉強会の中で、これまでのテレビ広告のデータを、他の調査会社とTVISIONでアウトプットのされ方の違いを比較して確認してもらうなど、社内理解を深めるとともに共通言語化を進めています。社内からは「これは良いデータだ、活用していきたい」などの声をもらい、今後の活用の拡がりに期待をしております。

勉強会の準備はTVISIONとも協力し、事前打合せを行いましたので、当日はスムーズに進めることができたと思います。


ー現在は、TVISIONデータを活用するスタートラインに立ったところですが、データや弊社についてどのように感じていますか?

そうですね。まだ本格的に活用する前の準備段階ではありますが、TVISIONと定例会を毎月行っていました。その定例の中で、CMのメディアバイイングにおいて、ターゲット層が見ている時間帯や放送局の割合に改善の余地があると感じました。これまでCMの振り返りを広告会社と行う際、実データがないために具体的な検証ができない場面もありました。今後は、このTVISIONの視聴データを元に、より踏み込んだ検証をしていけると感じています。

また、TVISIONとの定例会の中で、CMクリエイティブもデータで評価できる「Cスコア」の存在を知りました。これまでTVISIONとやり取りをしていたのはテレビ広告全体の評価やメディアプランニングについてのデータでしたが、Cスコアも他のデータと同様、自然視聴環境下での実データを用いたCM評価ができることに魅力を感じています。特に、どの要素で視聴者の視線をキャッチしたのかなど、勝ちパターンの解明をしていくことに大きな期待を寄せています。

また、導入をする際、TVISIONとのデータ連携は非常にスムーズに進められたと感じています。TVISIONはデータを提供するだけではなく、その後の活用のフォローも非常に手厚くしていただいたので、それがとても助かりました。


今後の展望

共通言語でマーケティングコミュニケーションの活性化と具体的活用に期待

これまでは、まずは導入し社内周知をしている段階でしたので、今後は実務段階としてメディア・クリエイティブ両面で活用していきたいと考えています。

CMが見られた要因が何なのかを特定できるよう、クリエイティブやメディアの要素を細分化し、カテゴリーやブランド毎に特徴を捉えながら、より短いスパンで次の施策に活かしたいです。さらに、最大限の効果を発揮できるような、”検証の型化”にも、TVISIONと一緒に進められたらと考えています。

例えばメディアでは、実データを元に絵柄や放送局の配分の最適化を、広告会社とともに進めること、CMクリエイティブでは、具体的な制作の打ち手のエッセンスを収集し、社内での改善の動きが活性化することを期待しています。

また、コミュニケーション戦略の最終課題は、売上に影響を及ぼすあらゆる要因の貢献度を明らかにし、最適な予算を提案していくことです。 これまでのアンケート調査や視聴データと齟齬が出てしまったときにはTVISIONに分析を依頼し、齟齬の要因を明らかにし、納得感を得ながら、コミュニケーションの重要な要素と、データなどの相互の関係性を明らかにしていきたいですね。

TVCMのみならずデジタルや他のメディア等ともデータ連携が可能となり、相互の関係性を明らかにしていく仕組みづくりも期待しています。


ー今後、やってみたい分析やTVISIONへのご要望はありますか?

現在は関東のセグメントでデータを見ていますが、やはりそれが全国に広がるといいですね。全国の視聴人数で、このCMは○○万人に視聴されている、などが分かるとより可視化しやすいと思います。あるいは、地域で区切り、それぞれの地域の視聴の特性などがわかると、より効果的な広告の展開ができると考えています。関西のデータはすでにTVISIONにあると思いますが、関東と関西で明確な違いなどがわかれば、活用してみたいと思っています。

おわりに

清水さんは、ロッテ社内のマーケティングコミュニケーションをより浸透させ、データでの確実な改善を一つの目的に、多くの方と調整をしながらダッシュボード化の実現をされておりました。導入に向けた定例会を通じて、TVISIONのデータで多くの発見があったとお伺いしております。社内のコミュニケーションのみならず、データという共通言語を通して、ロッテのCMがより見られ、より良い印象をお持ちいただけるような気づきを、一緒に考えていけるパートナーとして、ご支援できれば幸いに存じます。

インタビューの中でお話いただいた、関東・関西以外での調査パネル拡大については、他のクライアント様からもご意見をいただいております。引き続き、検討していきたいと考えております。 お忙しい中、取材にご協力いただきました清水さんに、心より感謝致します。

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