放送局をも動かした! チーム一丸となって目指すリーチ獲得への道

インタビューの概要

ご紹介企業KDDI株式会社様
ブランド・コミュニケーション本部
伊藤 智宏 様
活用いただいているサービスタイムA-URシミュレーター
データ連携サービス
ヒートマップ
その他アドホック分析
課題・目的 視聴者の認知をより高めていきたい

KDDI株式会社(以下、KDDI)のご紹介
KDDIは、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献することを企業理念としております。重要なライフラインを担う通信事業者の使命として、強靭で高品質な通信の維持に努め、「ずっと、もっとつなぐぞ。au」をスローガンに、どんなときでもつながり続ける通信サービスの提供を目指しています。
ウェブサイト:https://www.kddi.co.jp/

はじめに

TVISION INSIGHTS(以下、TVISION)のデータを、継続的にご利用いただいているKDDI。常に時代の最先端を走り続けるKDDIが、どのような戦略に基づいてテレビCMを出稿しているのかについて、データを導入いただいた初期から伴走させていただいている、カスタマーサクセス担当の東野がKDDI、ブランド・コミュニケーション本部 の伊藤 智宏さんに本音のお話を伺いました。

<最近放送されたテレビCM>

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導入のきっかけ・決め手

TVISIONのデータが今の時代にあっていると思ったから

KDDI伊藤様お写真 TVISION INSIGHTSのデータをテレビCMの効果を測る指標として活用

東野:日頃から弊社のデータをご活用いただきありがとうございます。本日は改めて、データをどのようにご活用いただいているのかについて、お聞かせいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

伊藤様:よろしくお願いします。

東野:まずはじめに、伊藤様の簡単なご経歴と、我々のデータとの出会いについて教えていただけますか?

伊藤様:はい。入社した当初は、営業職に就いていました。そのころから興味を持っていた、広告・宣伝の分野への異動をするチャンスがあり、志願をして8年前くらいから今の部署にいます。宣伝部でテレビCMについて日々模索をしていたときに、TVISIONのデータに出会いました。

東野:もともとは営業部にいらっしゃったのですね。長年ご一緒しておりますが、初耳でした!では、実際にTVISONデータを導入するに至った背景について、お聞かせください。

伊藤様:はい。TVISIONのデータを使う前は、アクチュアルやターゲット含有率といった指標を、チームのKPIの指標として活用していました。ただ、実際にこのKPIの達成を目指す中で、本当にこのKPIでいいのか?というモヤモヤを感じていました。
それというのも、これらの指標はテレビを取り巻く外部要因などの影響を受けることもあり、自分たちの努力だけでは、改善や向上をしにくい指標だからです。そのため、自分たちがより良い数値を目指していくためのKPI指標とするには、あまり納得感が持てませんでした。
そのような時に、TVISIONのデータと出会いました。視聴者の誰がいつテレビを見たかがわかるという、従来の量のデータより質を重視したデータで、私を含め社内で「これは使ってみたい」という話になりました。昨今のデジタル広告に近しい評価ができ、PDCAを回しやすいので、今の時代にあったデータだと感じています。他力ではなく自力で結果を変えていけるところにも、大きな魅力を感じました。

東野:ありがとうございます。まさにデータそのものが最大の強みでもあるので、魅力に感じていただいて、とても光栄です。

アテンションユニークリーチを採用した背景

認知を高めるのに有効な指標だから

東野:では続いて、具体的なデータの活用について、お話を伺っていきたいと思います。御社では、MF1層(男女20‐34歳)のアテンションユニークリーチ(以下A-UR)、つまり「CMに1回でも接触した人の割合」を高めるということを、KPIにおいていらっしゃいますね。この指標を採用した背景について、教えてください。

伊藤様:そうですね。それは何と言っても、TVISIONさんの提案力だと考えています。
まず前提として、弊社にとってテレビCMは、視聴者の認知を上げるための施策として実施しています。そのため、常日頃から認知を上げるために何をするべきかを模索しています。そのような中、TVISIONさんからある分析結果をもらいました。それは視聴者の認知に効果的なのはGRPよりもA-URだ、という結果です。
そこからは、A-URを上げていくチャレンジをしたいと考えるようになり、KPIとして定めるに至りました。

東野:ありがとうございます!分析を出した当時、認知を上げるという目的に対しては、テレビCMにおいてもリーチの観点で見てみると良いのでは、という仮説を立てました。そこに、TVISIONオリジナルの「注視」という概念を追加して、A-URという指標を開発しました。A-URと認知の相関を検証した結果、仮説が事実だったことがわかり、ほっとしました。

業界で年間A-UR獲得1位となった背景

広告会社も巻き込んだ緻密なバイイングを実施

KDDI伊藤様お写真 視聴者の認知度を高める活動について

東野:A-URを高めることを目指して活動を続けられた結果、2021年は見事に業界内で1位(※1)を獲得されましたね。それについて、感想を教えていただけますか?

※1 MF1層におけるA-URの獲得を独自で調査。競合4社の中で1位となった

伊藤様:はい。弊社のCMがお客さまに1番注視されていることが実感でき、素直にうれしく思います。先ほどから重ねて申し上げておりますが、私たちはA-URを高めることに、チーム一丸となって取り組んできました。その結果が出て本当に良かったと思っております。

東野:実際、A-URを高めるための活動では、どのようなことを実施されてきたのでしょうか。多くの広告主の方々が気になっている部分だと思いますので、できる範囲で詳しく教えていただけるとうれしいです。

伊藤様:テレビCMは「レギュラータイム」「単発タイム」「スポット」と大まかに3種類に分類できるかと思います。基本的には、この3種類の買い付けを実施していますが、どれもA-URが高まることを意識しながら買い付けています。
例えばレギュラータイムや単発タイムでは、A-URが高まり、かつコストなどの効率を加味して一番最適になりそうなフォーメーションを、何度もシミュレーションしています。そのシミュレーション結果を広告会社に伝えて、なるべくこちらの意志を汲み取っていただきながら、買い付けを行っております。
一方スポットは、TVISIONさんから毎月出していただいている、視聴者がどの時間に見ているのかが一目でわかるヒートマップをみながら細かく交渉していくというイメージです。

東野:かなり細かくデータを見ていただいていますよね。この御社との取り組みがきっかけで、3年ほど前に、タイムA-URシミュレーター(※2)というソリューションが生まれました。おかげさまで、ありがとうございます。

※2 ターゲットとなる視聴者がしっかりと注視しているテレビ番組を選ぶとともに、
その視聴者の重なりを極力減らし、注視ベースでのユニークなリーチを最大化できるタイム提供番組選定ツール
詳細:https://telescope-lp.revisio.com/timeaur-simulator/

伊藤様:そうだったのですね、それは知りませんでした。実際にタイムA-URシミュレーターも使っていますが、このツールは本当に便利だと実感しています。タイムの買い付け交渉は、1分1秒を争うようなスピード勝負であることも多いので、ツールができる以前は、深夜に電話をして、「何とか〇〇時までにデータをください。」というような交渉を実施していました。こういったお願いは、私も心苦しく感じていましたし、データが出てくるまでに時間もかかっていました。このツールができてからは、手元で色々なシミュレーションができるので、本当に便利になりました。

東野:少し宣伝になってしまいますが・・・タイムの提供を目安5番組以上実施されている方は、このタイムA-URシミュレーターを導入すると便利になりますよね(笑)

KDDI伊藤様、TVISION INSIGHTS東野 ユニークリーチについて話す写真

伊藤様:はい。そう思います!以前は、タイムバイイングで見える情報が視聴率のみでした。そのため、どうしても勘や経験というような、感覚に頼ってしまう部分があったように思います。新しい番組を買い付けるときには、話題性や出演者の情報など、定性的な情報を頼るような場面もありました。TVISIONさんのデータを使ってからは、確かな根拠ができたので非常に助かっています。

東野:タイムA-URシミュレーターをしっかりご活用いただいていて、ありがとうございます!A-URを高めるという意味では、御社のKPIに直結する施策が取れており、弊社としても嬉しいです!ちなみに他社媒体にはなりますが、先日取材(※3)を一緒に受けさせていただいた「6秒CM」についての試みも、A-URを高める施策のひとつでしょうか?

※3 記事内容詳細:https://www.advertimes.com/20220323/article379449/

伊藤様:その通りです。A-URを高めるためなら、何でもチャレンジしたいと思っているので、その1つの取り組みとして、6秒のテレビCM放送に至りました。

東野:先日の取材の際にもお伝えしたことなのですが、この6秒CMというチャレンジは、本当にすごいことだと思います。これまでの15秒、30秒、60秒の枠を越えたCMを流すということは、相当な覚悟がないと進められなかったのではないでしょうか。既存の枠組みではないCMは、放送局への交渉も大変難しかったのではと推察いたします。結果的に、放送局を巻き込んで実施にいたった秘訣などはあるのでしょうか?

伊藤様:まず社内では、A-URを高めていくことに対して共通認識を持っておりました。広告会社、放送局も私たちの目標に対して一体となって取り組めたからこそ、実現できたと思います。TVISIONさんも含めた関係者全員が、「新しいことをやりたい」「A-URを高めることが大きな目標である」という認識を持っていたので、それほど難しいことだとは思いませんでした。放送局は、これまでのCMの枠組みを変更するのに、大変苦労されたかもしれませんが・・・

東野:伊藤様をはじめとした皆さんの熱意とチャレンジ精神に、尊敬しかありません。これだけのお取組みを、バイイングチームとしては3名で担当されていらっしゃると聞いております。最近、6秒CMについての取材記事をご覧頂いた別の広告主さんから、御社の体制について質問をいただきましたが、3人であることをお伝えしたら大変びっくりされていらっしゃいました!

伊藤様:それはやはりTVISIONさんをはじめ、社外のパートナーの皆様にも多くのご協力をいただいているからだと思います。

東野:そうなのですね。会社を超えたワンチームを築き上げられたこともさることながら、それを少数精鋭で切り開かれていらっしゃるのは、本当にすごいですね。
さて、少しお話を戻してしまうのですが、御社ではアンケートデータもご活用いただいております。このデータの活用方法について、お聞かせください。

伊藤様:はい。このアンケートデータは、6秒CMの効果検証のために活用しました。一般的なアンケートデータは、テレビCMへの接触・非接触について、質問に回答する形式が多くあります。しかしTVISIONさんのデータは、注視のデータを自動で計測しているので、自然な視聴データを取得でき、且つ態度変容との関係まで分かるところが唯一無二だと思っています。

東野:ありがとうございます。やはりデータの取得プロセスが、特にTVISONの強みだと感じていただけているのですね。ほかにも、御社では、いろいろな形でTVISIONのデータを活用いただいていると思いますが、そのほかにどのようなデータ活用をされているかお聞かせいただけますか?

伊藤様:統合分析ツールでマーケティング分析をしておりますが、今までは、御社からローデータをもらい、手動で連携する作業を実施していました。自動連携になり、作業が減ったのでとても楽になったと感じています。何より御社の負担も減ったのではないでしょうか?(笑) 統合分析上では、A-UR以外の指標も包括的に確認していますが、いま一番よく見ているのはA-URデータです。毎日チェックしています。

東野:毎日とはすごいですね。ありがとうございます!

今後の展望

さらなる新しい事に積極的にチャレンジしていきたい

KDDI伊藤様、TVISION INSIGHTS東野写真

東野:最後に、今後に向けて、こういったお取組みをしたいなど弊社に求めることがあれば教えていただけますでしょうか?

伊藤様:そうですね。やはり、とにかくA-URを高めるための施策であれば何でも提案していただきたいです。既存の概念に囚われず、積極的に取り入れていきたいと思っております。

東野:そうですね。我々も新しい提案ができるように頑張ります!コネクテッドTV(以下、CTV)に対する取り組みも、この一環になりますか?

伊藤様:確かにそうですね。今まさに始まったところだと思います。今後、CTVにおいても検証を深めていただけるとうれしいですね。テレビで見るYouTubeと、スマホ・タブレットでみるYouTubeの広告には、見られ方に違いがあるのではという仮説をもっています。この仮説を検証し、またTVISIONさんと一歩先を行く取り組みをご一緒したいです。

東野:ぜひお力添えできるよう頑張ります。CTVについては、TVISIONでも最優先事項として開発、検証を行っております。これらを含め、引き続き、一緒に新しいことにチャレンジをさせていただけると、大変うれしいです。
伊藤様とはほぼ毎週やり取りをさせていただいておりますが、改めてこのような機会を設けてお話を聞くことができたのは、色々な発見や気づきを得ることができました。改めて、ありがとうございました。引き続きよろしくお願い致します。

伊藤様:こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します。

おわりに

伊藤様は、常に新しい事に取り組みたいという熱意を持っておられ、日頃からTVISIONの社員もよい刺激を受けております。先進的な取り組みをされているKDDI様でもなお、新しいことに挑戦し続ける姿勢には頭が下がる思いです。そして、微力ながらTVISIONも一緒にデータ分析などの連携をさせていただく中で、放送業界全体に新しい風を吹かせる事ができたらと感じております。今後ともパートナーとしてご支援できれば幸いに存じます。

お忙しい中、取材にご協力いただきました伊藤様に、心より感謝致します。

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